個人住宅
- 作品名
- 河口湖の別荘
- コンセプト
- ご夫婦と愛猫のための別荘です。
敷地は河口湖から南西方向に15㎞ほど進んだ別荘地の一画に位置します。
敷地の北側には北岳を含めたアルプス連峰や本栖湖が臨め、南側には木立の中から富士山を垣間見ることができます。
この豊かな眺望を室内に取り込むことが今回のテーマです。
そこで南北方向に面して各部屋を配置する平面計画とし、また東西方向に傾斜する敷地の特性を活かして、構造上3層の断面計画としました。
これにより全ての部屋が地上階となり、それぞれの部屋に設けた窓から異なる景色を取り込むことができます。
これらの部屋を繋ぐのが、4つの階段です。
階段は移動するだけでなく、とどまったり座ったりすることで、もうひとつの居場所となります。
そして階段に面した窓は、太陽の移ろいと共に、変化に富んだ自然光と眺望を運んでくれます。
一方室内に散りばめられた調度品は、長年をかけて収集された品々です。
中には代々所有する蔵の中で眠っていた箪笥や長持ちそして蔵扉があり、これらを活かしたいという思いが施主にありました。
その思いを受けて、家具職人に再生を依頼しこの別荘の室内に設えることで、先祖から受け継ぐ記憶を蘇えらせたのです。
京都に老舗の俵屋旅館があります。
施主がお気に入りのこの旅館にご一緒して、旅館が持つ佇まいについて確かめ合ったあの時が、今でも鮮明に思い出されます。
そしてこの別荘に宿る佇まい。
これからじっくりと熟成する時間と共に、その深みを増していく姿がとても楽しみです。
- 概要
- □用 途/別荘
□所 在 地/山梨県南都留郡富士河口湖町
□竣 工/2016年4月
□構 造/木造在来工法
□規 模/地上2階(構造上3階)
□敷地面積/1,013.93㎡
□建築面積/142.41㎡
□延床面積/161.23㎡